【SHOPLINEの強み5選】Shopifyとの違いを徹底比較
はじめに
ECサイトを立ち上げ、オンラインでのビジネスを成功させる上で、基盤となるECプラットフォーム選びは極めて重要です。数多くの選択肢が存在する中で、世界的なシェアを誇る「Shopify(ショッピファイ)」と、アジア市場で急速に存在感を高めている「SHOPLINE(ショップライン)」は、特に注目度の高いプラットフォームと言えます。
どちらも魅力的なサービスですが、それぞれに得意な領域や特徴が異なります。「なんとなく有名だから」「料金が安いから」といった理由だけで選んでしまうと、後々「やりたいことが実現できない」「想定外のコストがかかる」といった問題に直面しかねません。
この記事では、これからECサイトを始めようとしている事業者の方々、そしてそうした事業者の方々を支援する制作会社やフリーランスの方々に向けて、Shopifyに勝ると思われる、SHOPLINEの強みに焦点を当てて比較します。
日本支社の代表に直接お聞きした内容や、実際にSHOPLINEサポートとやり取りをしている経験を踏まえて、「具体的にどのような強みがあるのか?」「どんな場合に選ぶべきなのか?」という具体的な活用シーンに焦点を当てて解説します。
自社のビジネスモデルや目標に最適なプラットフォームを見極めるためのヒントとして、ぜひご活用ください。
先に結論
先に結論からお伝えすると、以下のいずれかに該当する場合はSHOPLINE、これら以外はShopifyという選び方が良いのではないかと考えています。
- ライブコマースやコメントコマースを積極的に活用して販売促進したい場合
- 来店予約システムを無料で利用したい場合
- アジア市場への越境ECや現地展開を重視する場合
- 複雑なカスタマイズはせずコストを抑えてスピーディーに立ち上げたい場合
- 手厚く柔軟なサポート体制を活用したい場合
それぞれについて、具体的に解説していきます。
1.ライブコマースやコメントコマースを活用して販売促進したい場合
ライブコマースやコメントコマースは近年、特にアジア圏で急速に普及しています。リアルタイム配信を通じて、視聴者とコミュニケーションを取りながら商品を販売する手法は、高いエンゲージメントと購買意欲を生み出します。
SHOPLINEは、このライブコマース機能を標準で搭載し、スムーズに連携できる点が大きな強みです。インスタライブと連携し、配信中に視聴者がコメント欄に特定のキーワード(例:「+1」)を入力するだけでカートに商品が追加される「コメント購入」機能などを提供しています。
これにより、特にアパレル、コスメ、雑貨といった、視覚的な魅力や使用感のデモンストレーションが効果的な商材において、臨場感あふれるショッピング体験を提供し、売上向上に繋げやすくなります。
この機能が無料で標準搭載されていることに加えて、後述する手厚いサポート体制と組み合わせることでスムーズな運用が可能となります。実際に日本のアパレル企業での活用事例も紹介されているので知見もたまっており、安心感もあります。
2.来店予約システムを無料で使いたい場合
オンラインストアと実店舗を持つ事業者にとって、両者をシームレスに連携させる戦略は、顧客体験向上の鍵となります。
SHOPLINEは、標準機能(無料アプリ)として「来店予約システム」を提供しています。これにより、美容室、サロン、整体院、ワークショップ、ショールームなど、事前の予約が必要なサービスを提供する店舗が、ECサイト上で簡単に予約受付・管理を行えるようになります。顧客はオンラインで手軽に予約でき、店舗側は予約状況の一元管理やリソースの最適化が可能になります。
Shopifyでもアプリを使えば同様の機能を実現できますが、無料でできる範囲は限られます。無料でできる機能としては非常に強力で、この点はSHOPLINEが有利に感じます。
3.アジア市場への越境ECや現地展開を重視する場合
成長著しい東南アジア市場への展開を考える企業にとって、現地の文化や商習慣に合わせたローカライズ戦略は不可欠です。SHOPLINEはアジアで生まれ展開されてきたサービスですので、アジア圏での販売に関しての知見を持っています。
香港、台湾などには強力なマーケティングチームがおり、サポートが充実しているため、東南アジアへの越境もしくは現地進出において、現地でKOL(インフルエンサー)の紹介や広告の支援などを求めている事業者からの問い合わせも増えているようです。
また、巨大な消費市場である中国への越境ECは多くの企業にとって魅力的ですが、「グレートファイアウォール」と呼ばれるインターネット検閲システムの存在により、海外のWebサイトが正常に表示されなかったり、アクセス速度が極端に遅くなったりする問題があります。
SHOPLINEは、このグレートファイアウォールの影響を受けにくく、中国本土からでも比較的スムーズにECサイトへアクセスできる仕組みを提供している点を大きな強みとしています。これにより、中国の消費者に快適なショッピング体験を提供しやすくなります。
ただし、中国市場は政策変更などの変動要因も多いため、あくまで「中国市場へのアクセスにおける技術的な障壁を低減できる可能性が高いプラットフォーム」と捉えるのが適切です。とはいえ、このメリットをベースに(ECではなく)ホームページとして活用している事例も存在しています。
4.複雑なカスタマイズはせずコストを抑えてスピーディーに立ち上げたい場合
ECサイト構築には、初期費用や月額費用、カスタマイズ費用など、様々なコストがかかりますが、特にスタートアップや中小企業にとっては、費用対効果は重要な選定基準です。
ShopifyもSHOPLINEも、サイト作成にあたってまずは「テーマ」というテンプレートを選びますが、現時点でSHOPLINEはすべて無料です。Shopifyにも無料テーマはありますが、無料テーマかつノーコードを前提とした場合での比較では、SHOPLINEの方が実現できる機能は多い印象です。
Shopifyの場合、高度な機能を追加するにはLiquidというコードを編集するか、有料アプリが必要になるケースが多く、結果的に月額費用もしくは開発費がかさむ可能性があります。
一方のSHOPLINEは、アプリの総数はShopifyに劣りますがほとんどが無料で提供されているため、トータルコストを抑えやすい傾向があります。
その分、痒いところに手が届かない場面も出てきますが、コストを優先したい事業者にとっては、SHOPLINEは魅力的な選択肢です。
5.手厚く柔軟なサポート体制を活用したい場合
ECサイトの構築や公開後の運用など、EC運営に携わるとわからないことがたくさん出てきます。このときに頼りになるのがSHOPLINEのサポートです。
実際に私が構築する上でサポートにたくさんの質問をさせていただいていますが、日本語が堪能な人材が対応してくれるので、伝わらないといったことは今のところありません。返答も土日祝は除いて遅くとも1営業日以内には何らかの返信があるので、コミュニケーションもスムーズだと感じており大変助かっています。
また、Shopifyはアプリについてはアプリベンダーに問い合わせますが、ベンダーによって対応品質は様々で安定しませんが、SHOPLINEはアプリも基本的にはSHOPLINE純正なので、問い合わせ先が1本化されているのも個人的にはありがたいです。
私自身はSHOPLINEのパートナー側(事業者ではない構築する側)としてサポートに問い合わせていますが、事業者側に対しても全く同じ対応をすると代表の大山氏が仰っていたので間違いないかと思います。
Shopifyではここまで手厚くサポートはない印象なので、サポート体制もSHOPLINEの強みと言えそうです。
まとめ
改めてポイントを整理すると、SHOPLINEは以下のようなニーズを持つ事業者にとって、有力な選択肢となります。
- ライブコマースやコメントコマースを積極的に活用して販売促進したい場合
- 来店予約システムを無料で利用したい場合
- アジア市場への越境ECや現地展開を重視する場合
- 複雑なカスタマイズはせずコストを抑えてスピーディーに立ち上げたい場合
- 手厚く柔軟なサポート体制を活用したい場合
もし、あなたのビジネスがこれらのいずれかに当てはまるのであれば、SHOPLINEは検討する価値のあるプラットフォームと言えます。一方で、これらに当てはまらない場合はShopifyの方が良いかもしれません。
最終的にどちらを選ぶべきかは、絶対的な正解があるわけではありません。最も重要なのは、自社の事業戦略、ターゲットとする顧客層、将来的な展開、必要な機能、予算などを明確にし、それぞれのプラットフォームが持つ特性と照らし合わせて、最適なものを見極めることです。
この記事が、あなたのECプラットフォーム選びにおける判断材料となり、ビジネスの成功に向けた一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。自社ECサイト構築に関して、お悩みなどありましたらお問い合わせよりお気軽にお声掛けください。